ブルックナーと私

今日は、通勤の行き帰りと、昼休みに、あえてブルックナーの『交響曲第8番』を聴いてみました。


「好きになれない」「嫌いだ」「どこが良いのか分からない」と言いつつ、私も何枚かはCDを持ってはいるのです。
何よりも、わがクラシック&オーディオおたくの父が、大のブルックナーファンでしたから、一応人並み以上には聴いて育ってはきたので、ただ闇雲に食わず嫌いで拒否しているわけでもないのです。
かつて学生時代には、合唱曲のソプラノ・パートを歌ったこともあります。


あぁ〜〜


それでも、やっぱり・・・・・やっぱり、好きになれないのです・・・
ブルックナーさんを・・


いや、ブルックナーという人は、そう嫌いではないのです。
なんだかウジウジしていて、かわゆいではないですか(笑)
ま、あまり恋人にしたいとか、結婚したいと思うタイプじゃありませんけど。


でも、彼の作った曲には、まったく愛着を覚えることができません。
私にとっては、どこも、ぜんぜん、面白くないのです。
退屈なのです。
だらだらうんざりなのです。


・・・なんてことを言うと、父を始めとして「われこそはクラシック通なりっ!」という人(たいてい男!いや、全部男!)から、「この崇高さが分からないとは、まだまだだね」・・といった「上から目線」で憐れまれたり、あるいは講釈をたれられたり・・・で、結果、ますます反感だけが膨らんできたわけです。
しかも、そうやってエラソウにブルックナーの深遠さを語る人々に限って、いざ合唱の譜読みを始めようものなら、ろくに拍子も取れなかったりして、こちらとしては「けっっっ!」という気持ちになるばかり。


そうなんです・・
ようするに私は、ブルックナー本体が嫌い・・という以上に、ブルックナー信者みたいになってる人々(たいてい冴えない男!)が、嫌いなのでした。
坊主憎けりゃ袈裟まで・・・・ではなく、袈裟が嫌いだから坊主が・・・という感じ?




でも、こんな「偏見」や「思い込み」は、いい加減にリセットすべきではないかと思い、今日は、朝も夜も、地下鉄のゴトゴトいう中ではありますけれど、傑作の名高い『交響曲第8番』を聴きました。



で・・・


それで・・・




私は、よほどに頑迷なのか、学生時代に身近にいたブルックナー大好き男子数人への怨念が晴れないのか(笑)、あるいは父への密かな反抗か(そんなバカな^^;)、やっぱり、だめです〜〜
ブルックナーは、わざわざ聴く気になれません!
退屈だ!
しかも四六時中いつもいつも金管がうるさいんだもん。
なんだか、ポゴレリッチの弾くピアノのfffの打鍵を思い出してしまった・・・(-"-)




実際、ブルックナーさんが、理屈をこねるクラシックマニアのだっさい信者がこびりついていないニュートラルな存在の作曲家だったら、案外好きになってたかもしれません。
たとえば、この↓YouTubeから頂いてきた曲は、素直に美しくて、かつて合唱で歌ったときも、うっとりとしたものです。


偏見はいけません。
ルサンチマンは見苦しいです!
自戒せねばっ(笑)


ブルックナーの『アヴェ・マリア
天国につながっていけそうな曲です。
演奏している少年たちが、また素晴らしい!


King`s College Choir, Cambridge - Ave Maria (Bruckner) Carols from King 1997



・・・ところで


私が、いかに「ブルックナーおたく」の野暮な男が大嫌いか・・・という話を、夫と息子にしたところ、夫からは、「はいはい、あいかわらず容赦ないねー」と軽くあしらわれ、息子からは、「おかあさんは、その心の狭さをどうにかしたほうがいいよ」と、冷たく言われました・・・


家に私のほかは男しか居ない・・というのは、なかなか寂しいものです^^;



ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版)ブルックナー:交響曲第8番ブルックナー:交響曲第8番ブルックナー:交響曲第8番