“いかれ帽子屋”カラスが書き物机に似てるのはなぜ?

不思議の国のアリス(Alice's Adventures in Wonderland)』には、いろいろ“いかれちゃった”キャラクターが登場しますけど、その代表格が“帽子屋 The Mad Hatter”だと思います。
昨日観に行った映画では、ジョニー・デップが、あいかわらずの怪しい魅力を放って演じてました。


なんでも子供の頃に読んだ本に、かつて英国の帽子職人は、帽子制作に「水銀」を使っていたので、その蒸気を吸い込むことから、だんだん「気がおかしくなる」人が多く、そうした職人たちをモデルに生まれたキャラクターである・・・というようなことが書いてありました。
そうした記憶を頼りに、「水銀」「帽子屋」でネット検索したところ、トップに出たのがウィキペディアの「帽子屋」という項目で、やはり私の記憶通りのことが書かれていました。

「いかれ帽子屋」という用語の語源は、帽子のフェルトの加工過程に水銀が使用されていた時代に由来すると考えられる。当時の帽子製作において、帽子職人が水銀の蒸気を吸入するのを防ぐことは不可能であった。水銀の吸入を繰り返す内に、体内に残留した水銀は錯乱した発語行為や乱視などの神経障害を引き起こした。また水銀中毒が危険なレベルにまで進行すると、中毒者は幻覚などの精神錯乱の兆候を示すことがあった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%BD%E5%AD%90%E5%B1%8B

ウィキペディアというものは、あまり大真面目に信じ込むのも考え物で、自分の専門分野のページを見ると、けっこう「それは違うよ!」ということも書かれているので、ある程度「割引」して読んではいるのですが・・・・
それにしても、こんな「職業病」のリスクを抱えながら、紳士淑女の帽子を作っていた人々が居たのですね。
当時はそれが水銀中毒によるものとは認識されていなかったことでしょうし、「労災保険」なんてものもなかったわけですから、こうした症状が出ても、そのまま放置されていたのでしょうか?
仲間内での互助会的なものは存在したのでしょうか?




・・・それはそうと、ルイス・キャロル作『不思議の国のアリス』の中で、この“帽子屋”は、よくヘンテコな詩を暗誦したり、意味不明なナゾカケをしたりするのですが、昨日観た映画『アリス・イン・ワンダーランド』の中で、さかんに言っていたのは、「カラスが書き物机に似ているのはなぜか?」 ・・・でした。
子供の頃のディズニーアニメ映画では、「きらきら光るコウモリさん〜〜」と、「きらきら星Twinkle, twinkle, little star」をもじってふざけた詩を気取った調子で暗誦し、とても印象的でした。


まず、「カラスが書き物机に似てるのはなぜ? Why is a raven like a writing-desk? 」の方ですが・・・・
作者のルイス・キャロルですら、その答えは用意していなかった・・・というのが本当のところなようで、後になってから、無理矢理に「答え」をひねり出したようです^^;

Because it can produce a few notes, tho they are very flat; and it is never put with the wrong end in front!


どちらも“notes(泣き声、覚書)”が出せて、どちらもとても“flat(平板、つまりパッとしない)”。そして、どちらも前と後ろを間違えない!

うぅ〜〜〜〜ん、なんだか苦しいですねぇ・・・(-"-)
「なぞかけ」としても、あまり上手くはない感じですが、でも、私にとっては、この“いかれちゃった質問”それ自体が、それだけで魅力です。
「答え」なんか、いっそ無くていいんです^^


「きらきら光るコウモリさん〜〜」の詩にしても同じ^^

Twinkle, twinkle, little bat!
How I wonder what you're at!
Up above the world you fly,
Like a tea-tray in the sky.

 “Why is a raven like a writing-desk?”も“Twinkle, twinkle, little bat!”も!!





この詩を“女王”の前で披露した“帽子屋”は、斬首刑を言い渡されてしまうのですが…^^;




そうそう!


話は飛びますが、この「きらきら星」で思い出しました!


「きらきら星」のメロディーを借用した「ABCの歌」を、NHKの大河ドラマ龍馬伝』で、勝塾の塾生たちが、声を合わせて歌ってました!
あれって、史実としても歌っていたのでしょうか?
日本史は疎いので、よく知りませんが、もし本当だとすると、「きらきら星」の伝播力て、本当にすごいですね!


そして、『龍馬伝』と言えば、昨日放送の「雨上がり決死隊宮迫博之の演技の素晴らしさには、思わず涙してしまいました。
私、しばし、彼がお笑い芸人であることを、完全に忘れました。
毎週楽しみに見ている「アメトーーク」での軽妙な彼のことも、すっかり忘れました。
彼が演じる「平井収二郎」の無念と、矜持と、純粋さ、気高さ、様々なものが、ただまっすぐに伝わってきました。


いい役者さんですね〜〜〜〜〜彼は!





・・・と、なんだか話が飛び飛びで、こんな私こそ「いかれ帽子屋」みたいですね("▽"*)