仲道郁代「ショパンのミステリー」特別編

今夜8時から、NHKハイビジョンで放送された『仲道郁代 ショパンのミステリー 特別編』を見ました。
ピアニストの仲道郁代さんが、お嬢さん(収録当時小学生)と一緒にポーランドやフランス各地を旅しながら、ショパンの「創作の秘密」に迫る番組でした。数年前に放送された内容に最新情報を加えた内容だそうですが、私は今日はじめて見ました。

仲道さんは、ショパンが愛用していたというピアノ、『プレイエル(PLEYEL)』を弾くことで、今のピアノとの音色の違い、タッチの違いを実感し、そこから、長年感じておられた様々な「楽譜に書かれた指示」への「謎」を解いていかれました。ここは、見ていて本当に面白く、興味深く、テレビの前で私までが、「へぇー」「はぁー」「そうなんだ!」…と頷くことしきり(笑)
「ペダルをはなす位置」に関する「謎」は、仲道さんも大いに興奮されてましたが、実際に彼女が弾くプレイエルの音を聴いてみると、なるほど、この楽器で演奏するための指示だったのか・・・と、大いに納得!
よくある「ショパンの楽譜の変な指使い」も、彼が、指それぞれの特性を考慮に入れたからこそのものだった・・と知り、これまた納得!


いやぁーーー素晴らしい番組でした!
ところどころで仲道さんが演奏するショパンの名曲の数々も、非常に美しく、心にしみました。
特に最後の「練習曲10-3 別れの曲」は、プレイエルの柔らかな音色を最大限に生かした、優しさに満ち溢れる演奏で、感動しました。



番組の中で小学5年生・・と紹介されていたお嬢さんは、今はもう中学生でしょうか?
とてもお行儀のよい可愛らしいお嬢さんでした。
お母様と一緒に、ショパンの足跡を訪ねる旅は、きっと一生の思い出ですね。


実は私も、息子が小学5年生の夏休みに、一緒にローマに行きました。
私の場合は、ローマの美術館や教会を訪ねる旅でしたが、息子と二人で二週間、毎日朝から晩まで、可能な限りの場所へと足を運びました。
それ以前、この子がまだ小さい頃から、東京で開催される美術展で楽しめそうなものには、できるだけ連れて行っていたので、小学校高学年としては「目が肥え」ている子だったとは思いますが、バロック美術の本場ローマで、名作傑作の洪水を目にして以来、彼はすっかりその虜になってしまいました。
そして昨年の夏、高校二年生になった彼と、今度はトスカーナの美術を、これも二週間ほどかけて回りましたが、さすがに小学生の頃からは成長していて、帰国してから長大なレポートをまとめ、それを夏休みの自由研究として学校に提出し、嬉しいことに学年で最高点を頂きました。
・・・そんなわけで、日常的には、あまりベタベタしたところのない私たち親子なのですが、こと「美術展」となると、高校生の男子にしては珍しいのかもしれませんが、母親の私と一緒に行きたがります。そういうクセがついてしまったのかもしれませんが、親子で一つの作品を見ながら、その作家のほかの作品や、それを見た時の思い出、互いの感想などを言い合うのは、とても楽しいものです。
たまに、こういう話を友人にすると、必ず「んもぉー、ウタコの息子って、ほんと、マザコンよねぇー」と言われますが、そうなんですかね?
たいてい息子を「マザコン」と断定するのは「娘持ち」で、必ず「そんな風に育ててたら誰も嫁にこないわよっ!」・・とも脅されるのですけど、はぁ・・・そうですかね・・・
どうせそのうち彼女ができたら、その彼女と行きたくなるに決まってますヨ(笑)
同じような趣味を持った彼女ができれば・・・の話ですけどね〜〜(えへへ)


それはそうと、今日の番組で、仲道さんが、それはそれはお嬢さんを可愛がっている様子が、見ていてとてもステキでした。
お嬢さんも、お母さんが大好き・・って感じでした。
仲道さんは、いつもどこか娘の身体に優しく手を触れていて、ああいうスキンシップを、私は息子と全然とってきた記憶がないので、あぁー母と娘って羨ましいなぁ〜〜〜と、しみじみ。


わが息子曰く、「大学に入ったら、一人か、誰か友人を誘って、バックパックでヨーロッパの美術館をくまなく回りたい」…そうですが、それを聞いて、なんだか寂しい私です^^;
もう一回くらい、親子で旅したいものですが(今度は是非フランスを!)、もう「おかあさんと一緒なんかやだよ」・・・かな。


では、夫と?
・・・いやーーーーー
夫とじゃ、こういう方面では全く話が合わないですからね・・・
何もかもを「イチから説明」しなきゃいけないですし、共有する知識や経験もほとんどありませんし、うぅ〜〜〜〜ん
いまさら「説明・解説・教育」するのも面倒臭いし・・・("▽"*)
はたしてそれを、夫が面白がるのか?・・・というのもありますしねー


よく人から聞かされてはいましたが、「子離れ」って、案外難しいものなのかも・・しれませんね〜〜