『マネ展』感想

とりあえず、昨日から始まった『マネとモダン・パリ展』の、勝手気ままな感想を書いておきます。


まず新しくオープンした「三菱一号館美術館」ですが、なかなか雰囲気の良い美術館です。 
・・・が、暫くはオープニングで大勢の観覧者が入場すると思いますけれど、そういう混雑した状態での美術品鑑賞には、いささか無理のある広さ、部屋の配置かもしれません。
要するに、狭いです^^;
ただ、今後は(半年後くらい?)もう少し入場者の数も落ち着いてくると思いますので、そうなってからが、この美術館の本領発揮かもしれません。
静かな空間で、じっくり作品と対峙できる場へと、徐々に熟成していってもらいたいと思います。


さて、今回大変な苦労をして集められたであろうマネの作品は、見応えのあるものです。
特に「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」の肖像画は、特別な魅力を湛えていました。
内気な女性ベルトの、秘めた強い意志、感情が伝わってきます。
そして、この表情で見つめられているエドゥアール・マネ自身こそが、この絵を描いているわけで、その関係性のなんとスリリングなこと。

のちにベルトはエドゥアールの弟と結婚し、それ以降は、決して絵のモデルにはなりませんでした。
勝手な妄想を膨らますのが大好きな私は、もうこれだけの事実で、2〜3通りの空想物語が浮かんできます〜^^; 誰かこの私の妄想で、ベートーヴェンの「不滅の恋人」ばりの映画を撮ってくれないものでしょうかね〜〜(わはは)


展覧会の前半は、変貌していく都市パリや、パリ・コミューンの内戦の様子などが展示されており、これらは歴史や地理の知識、あるいはパリに滞在したことが有る無しで、興味に差が出る内容かもしれません。
詩人ボードレールマラルメ、そしてエミール・ゾラとの関わりについての展示の数々も、そこに興味がなければ面白くないかもしれません。
逆を言えば、今回の展示を楽しみたければ、ある程度の予備知識を得ておくことが必須だ・・・ってことです。
ただポカンと「綺麗な絵が見たい」というだけで入場しても、料金に見合うだけの喜びは得られないかも・・・という感じの展覧会ですね。