日本人の美術展好き

日本人は、世界一美術展が好きなんだそう・・・・・という本日のニュースを・・・

日本人は美術展がお好き=世界の入場者ランク、上位4位独占−英専門紙

 【ロンドン時事】日本人は世界一の美術展好き−。美術専門の英月刊紙アート・ニューズペーパーは31日の電子版で、2009年に世界で開催された美術展の入場者数ランキング(1日当たり)を発表。日本の施設が開催した特別展が、上位4位までを独占した。
 トップは東京国立博物館の「国宝 阿修羅展」で、1日平均1万5960人が入場。以下2位は奈良国立博物館の「正倉院展」、3位は東京国立博物館の「皇室の名宝−日本美の華」、4位が国立西洋美術館(東京)の「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」だった。
 6位に入った仏グランパレでの「ピカソと巨匠たち」(7270人)など、欧米の著名な美術展を上回る集客力は、「日本人の美術展への嗜好(しこう)が不況知らず」(同紙)であることをあらためて裏付けた形だ。

4月1日6時35分配信 時事通信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100401-00000015-jij-int


このニュースのソースである「英月刊紙アート・ニューズペーパー」の原文はコチラ↓です。
http://www.theartnewspaper.com/attfig/attfig09.pdf (PDF)


これによると、昨年世界中で開催された「特別展」のうち、1日に何人入場したかというランキングで、なんと上位4位までを、日本での展覧会が占めています。

入場者数/1日  総入場者数  展覧会名称  会場  都市名
15,960  946,172  国宝 阿修羅展  東京国立博物館  東京
14,965  299,294  正倉院展  奈良国立博物館  奈良
 9,473  447,944  皇室の名宝−日本美の華  東京国立博物館  東京
 9,267  851,256  ルーヴル美術館−17世紀ヨーロッパ絵画  国立西洋美術館  東京



私は、奈良の「正倉院展」以外、上記東京上野の展覧会には全部行きましたが、確かに凄まじい人の波が押し寄せてました("▽"*)  特に「阿修羅展」の混雑は、日程が後になればなるほどトンデモなかったと記憶してます。


しかしここで、同ニューズペーパーの別の統計、その美術館・博物館に「年間何人の入館者があったか」という統計を見ると、第1位はルーヴル美術館の850万人で、我らが日本の東京国立博物館は、ずーっと下がり、年間227万人で第14位なのです。1日あたりでの入場者数ではダントツのトップでも、年間の総人数では、ルーヴルに遥かに及びません。
つまり、日本人は、「特別展」の時くらいしか美術館・博物館には行かない・・・という傾向が読み取れるわけです!


だってそうですよ〜 東京国立博物館の常設展は、たとえ休日であっても、とっても空いてます^^ まさに憩いの場所です。 何も特別展でなくとも、常設展にも素晴らしい国宝や重要文化財は並んでますし、魅力的な企画も毎回打ち出されてはいるのですが、ここを訪れる人のなんと少ないことか・・・
ところが、いざ「○○展」と特別に銘打たれた途端に、ワレモワレモと人が押し寄せ、満員電車の中のような会場で、互いにグイグイ押し合いながら「鑑賞」した気分になるのですから(-"-) 
まぁ確かに、そういう機会にしか観れない作品もあります。 ありますけれど・・・でもなぁー


あと、日本人は、「評価の定まった作品」しか、観に行こうとしないです。
現代アートの展覧会は、いつ行ってもゆったり静かに鑑賞できますもん^^


結局、群集心理なんですよね。
隣りの○○サンも行ったらしいから私も・・・と、自分だけ取り残されたくないから行くんです。
私が子供の頃に開催された、あの『モナリザ展』の昔から、日本人って、多くの人が見たものは自分も見たいんです。
逆に、誰も見ていないものなら、自分も見なくていいや・・となってしまう。
実に動機が受動的というか、流されるままというか・・・


もう一つ、この統計で浮かび上がるのは、日本人がいかにマーケットとしては優良か・・ってことですね。
世界的な不況なんてどこ吹く風で、短期間にとっても沢山た〜くさん稼がせてくれる人々です♪
ですから、今年も沢山の美術品が日本に来日します。
オルセー美術館からも、ボストン美術館からも、門外不出といわれていたような作品まで、日本をめざして来てくれます。
それはとても嬉しいことだけれども、そこにしか反応しない日本人が大多数であることに、ちょっと文句を言いたくなってしまいます(-"-)


できたら、もっと常設展にも行きましょうよ〜〜〜
現代アートも積極的に見てくださいよ〜〜〜
・・と、声を大にして言いたいです。



と、言いつつ、来週はいよいよ『マネとモダンパリ展』が始まります。
少しでも空いた状態で鑑賞するならば、「始まったら直ぐに行く」 これが鉄則です(笑)