高橋大輔選手の『道』
バンクーバー五輪、男子フィギュアで、日本人初の「男子シングルの五輪メダリスト」が誕生しました!
高橋大輔選手の演技、本当に素晴らしかったと思います。
最後のステップなど、他の誰にも真似のできないような表現力に満ち溢れていて、まさに見る者の魂を揺さぶりました。
彼が今日のフリーの演技で使用した音楽が、往年のイタリア映画の名作中の名作『道』のテーマだったことも、感動を一層強めていたと思います。
『道(La strada)』は、フェデリコ・フェリーニ監督の1954年の作品で、主演は妻のジュリエッタ・マシーナと、アンソニー・クイン。
音楽はニーノ・ロータです。
ニーノ・ロータは、先日このブログで書いた、フランコ・ゼッフィレッリ監督の作品『ロミオとジュリエット』でも音楽を担当していますが、よくもこれだけ心の琴線にふれる旋律が思いつくものだと感心するほど、「泣かせる音楽」を生み出す天才なんですよね・・・
それらが、今も尚、全然古びることなく、聴いた人を虜にし続けているわけで、こういうところに、やっぱりイタリアの深くて骨太な、音楽の歴史と伝統を感じます。
『道』は、母が大好きな映画で、TVで放送される機会があれば、必ず見せられました。
子供の頃から、通算で何度見たことでしょうか・・・
正直、幼い頃は、あまり好きな映画ではありませんでした。
なぜって、とても悲しくなってしまうからです。
主人公の、ジュリエッタ・マシーナ演じるジェルソミーナが、あまりにも可哀想なのです。
・・・しかし、大人になるに従って、この映画は悲しい映画ではなくなり、とてつもなく大きな「愛」を与えてくれる映画になりました。
そして私にとって、イタリアという国の原風景の一つは、間違いなくこの『道』という映画なのです。
高橋大輔選手がオリンピックで滑走した曲・・・ということで、またこの映画が注目され、ご覧になる方が一人でも増えることを、私は心から願ってやみません。
そして、この愛する映画の音楽を、感動的な演技で共感し、豊かに膨らませてくれた高橋選手には、これからも益々のご活躍を祈ります。
私、フィギュア・スケートのことは、何も分かりませんが、彼の内面の美しさはしっかり受け取りました。
今日は本当に嬉しいし、良い気分です。
↓わがもう一つのイタリアの原点 なんだかちょっと怖くて悲しい、でも楽しい・・という世界
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