シューマンの歌曲 その2

シューマンの歌曲というと、『詩人の恋』と『女の愛と生涯』が有名ですが、実は私は、このどちらも、そんなに好きではありません。
『詩人の恋』に関しては、申し訳ないけれど、この“詩人”タイプの男が好きになれない・・・いや、はっきり嫌いなのと、『女の愛と生涯』に関しては、最近でこそ嫌悪感も薄らぎましたが、昔は、それこそ“反吐が出そう”なくらいに嫌いでした。


でも、純粋に音楽的な観点から聴いてみると、両者共に、傑作であることは間違いないです。
そして、素晴らしい演奏の録音も沢山残されており、聞き比べる楽しみもあります。


・・というわけで、今日のYouTubeは、『詩人の恋』と『女の愛と生涯』から♪


シューマン作曲『女の愛と生涯』より「Du Ring an meinem Finger わたしの指の指輪よ」 歌:エリー・アーメリンク

エリー・アーメリンクの歌には、知性と温かさがあり、大好きです。 彼女の演奏で聴くと、この歌曲の主人公の女性のような生涯も、素敵に輝くものに感じられます。 特にこの「私の指の指輪よ」の歌唱には、瑞々しい満足感があふれていて、こちらまで幸せで心が満たされるようです。


シューマン作曲『女の愛と生涯』より「An meinem Herzen, an meiner Brust わたしの心に、わたしの胸に」 歌:ロレイン・ハント・リーバーソン

ロレイン・ハントの美声が、なんといっても魅力です。 お母さんになりたての女性の喜び、はちきれそうな幸福感でいっぱいの曲を、見事に表現しつくしていると思います。 こうやってあらためて聴いてみると、シューマン・・・・いいですね〜^^;




そして、『詩人の恋』


シューマン作曲『詩人の恋』より「Im wunderschönen Monat Mai 美しい五月には」 歌:ヘルマン・プライ

ヘルマン・プライって、時々音程が粗いなぁーと思うこともありますが、でも、それを補って余りある美声・・ですよね。チャーミングです。こういう声で“うじうじ”されるなら、この詩人を好きになってもいいような気がするから不思議です^^;


シューマン作曲『詩人の恋』より「Aus alten Märchen winkt es 昔話の中から」「Die alten, bösen Lieder 古い忌わしい歌」 歌:ディートリッヒ・フィッシャー・ディスカウ

さすがはフィッシャー・ディスカウという演奏ですね^^ どこをとっても満点というか・・・


それにしても、私の学生時代の合唱部仲間の男子たちは、皆揃いも揃って『詩人の恋』が好きでした。
彼らは、シューベルトの『冬の旅』にもゾッコンだったなぁ・・・


今から思うと、みなさん、ロマンチストだったのですね・・
あの頃の愛すべき彼らに、今は息子が近い歳になってきました。



シューマン:詩人の恋