「オルセー美術館展2010」がいよいよ来週から開催

パリのオルセー美術館は、印象派やポスト印象派の展示室となっていた最上階を、昨年末から閉鎖し、改修工事を行っています。
この工事は来年の3月まで続けられるので、その間、この美術館の“呼び物”である印象派&ポスト印象派の作品たちは、一部は一階で展示されるようですけれども、他は、なんとこの「改修」の費用捻出のために、地球をぐるっと一回りする「出稼ぎの旅」(スペイン・アメリカ・オーストラリア・日本という長旅)に出されることになりました("▽"*)
この辺の事情は、現在開催中の「ボストン美術館展」と全く同じですね^^ 
また特に人気の作品は、“単品貸し”に出されてます。
たとえば、オルセーが大切にしているマネの『すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ』は、数年前に東京都美術館が開催した「オルセー美術館展」の時はトップスター扱いでしたが、現在三菱一号館美術館で開催中の「マネ展」では、一番の“目玉”として来日してます。
今秋横浜美術館で開催の「ドガ展」の主役は、やはりオルセーからやってくる『エトワール』であり『バレエの教室』であり・・^^
いやーあちらもなかなか商売がお上手といいますか、「スーパースターは分散してガッチリ!!」ですね♪


オルセー美術館の紹介動画(英語)




・・・とまぁそんなわけで、“世界一美術展が大好きな国”ここ日本の東京に、いよいよまとまった数の作品たちが来日します♪


しかし、これだけ多くの貴重な美術品たちに長旅をさせるとなると、関係者の気苦労は大変なものでしょうね・・
掛けられた保険の金額だけでも相当なものだと思います。




さて、今回の展覧会で公開される主な作品ですが・・・
公式サイトによると、主に次のようなラインナップです。
制作された年代順に並べてみます。



ギュスターヴ・モロー 『オルフェウスの首を持つトラキアの娘』(1865年)

ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ 『貧しき漁夫』(1881年

エドガー・ドガ 『階段を上がる踊り子』(1886-1890年)

フィンセント・ファン・ゴッホ 『自画像』(1887年)

エミール・ベルナール 『水浴の女たちと赤い雄牛』(1887年)

フィンセント・ファン・ゴッホ 『星降る夜』(1888年

ジョルジュ・スーラ 『ポール=アン=ペッサンの外港、満潮』(1888年

カミーユピサロ 『白い霜、焚き木をする若い農夫』(1888年

エミール・ベルナール 『愛の森のマドレーヌ(画家の妹)』(1888年

ポール・セザンヌ 『台所のテーブル(篭の静物)』(1888-1890年)

アンリ・ド・トゥールーズロートレック 『赤毛の女(化粧)』(1889年)

ポール・セザンヌ 『水浴の男たち』(1890年頃)

ポール・ゴーギャン 『“黄色いキリスト”のある自画像』(1890-1891年)

ポール・ゴーギャン 『タヒチの女たち』(1891年)

エドゥアール・ヴュイヤール 『ベッドにて』(1891年)

アンリ・ド・トゥールーズロートレック 『黒いボアの女』(1892年)

ピエール・ボナール 『格子柄のブラウス(20歳のクロード・テラス夫人)』(1892年)

ルフレッド・シスレー 『モレの橋』(1893年

モーリス・ドニ 『木々の中の行列(緑の木立)』(1893年

アンリ・ルソー 『戦争』(1894年)

エドゥアール・ビュイヤール 『公園:戯れる少女たち、質問、子守、会話、赤い日傘』(1894年)

アンリ・ド・トゥールーズロートレック 『女道化師シャ=ユ=カオ』(1895年)

クロード・モネ 『睡蓮の池、緑のハーモニー』(1899-1990年)

フェリックス・ヴァロットン 『ボール(ボールで遊ぶ子供のいる公園)』(1899年)

モーリス・ドニ 『セザンヌ礼賛』(1900年)

クロード・モネ 『ロンドン国会議事堂、霧の中にさす陽光』(1904年)

ピエール・ボナール 『装飾パネル、水の戯れ(旅)、悦び』(1906-1910年)

アンリ・ルソー 『蛇使いの女』(1907年)

ポール・シニャック 『マルセイユ港の入り口』(1911年)




こうやって並ぶと、やはり凄い作品群ですね〜
やはり館内の改修でもなければ、外に貸し出すような作品ではありません。

オルセー美術館展2010】
会期 : 2010年5月26日(水) - 8月16日(月)
会場 : 国立新美術館 企画展示室2E


混雑を避けて鑑賞したければ、来週中に行くのがベストです。
始まったら直ぐに行く!・・・・これは、大規模企画展鑑賞の鉄則です。
会期が後になればなるほど、ワレモワレモと「とりあえず行っておくか」という人々や、新聞屋等から貰ったタダ券で押し寄せる人々が爆発的に増え、山手線車内のような環境で「鑑賞」する羽目になります。
他にも、「空いた中で鑑賞するコツ」としては、天気の悪い日に行く・・・という奥の手もあります。台風が接近している日などは、感動的なほど空いています。こうした展覧会の最大の客層である「暇なジジババさまたち」が、こういう日には出てこないからです。しかも国立新美術館の場合は、地下鉄の駅から傘いらずで入館もできますので、風雨に晒されることは実際のところあまりありません。台風接近の日は、かなり狙い目です(笑)




オルセー美術館の至宝―ポスト印象派 (ポストカードブック)