響きの森クラシック

東京フィルの「響きの森クラシック・シリーズ」に行ってきました。
文京シビックホールで年に4回催される演奏会です。
本日のプログラムは次の通り。



  休憩

指揮   渡邊一正
ピアノ   仲道郁代


この響きの森シリーズの魅力は、なんといってもプログラムに「名曲」が並ぶことと、演奏者に人気も実力もある多彩な顔ぶれが選出されていることです。
今回は、今年注目のショパンが作曲した「ピアノ協奏曲第1番」のソリストに、これまた注目の仲道郁代が登場とあって、私は昨年のチケット発売日に、良い席を二枚ゲットしておいたのでした♪
そして今日は、夫に外せない用事が発生したこともあり、それじゃ・・ということで、息子を誘って行きました。


しかし・・・息子・・・(-"-)
連日予備校で夜遅くまで勉強している・・のは分かるのですが・・・・・あぁ〜〜〜
何も開始前から寝始めなくとも!!!!


あのニギニギしい交響詩ドン・ファン』が始まって、その時はハッとしたようでしたが、それ以降はどんなに大音量で盛り上がっても、熟睡したまま・・
あぁ〜〜〜腹立たしいっ
こんなヒト、もう連れてきてあげないっ!!("▽"*)


そもそも息子は、演奏会に連れてくると、必ずこうなります。
美術館は良いのです。本人に興味がある上に、歩いて回らなければ鑑賞できませんから、眠る余地がありません。
ところが演奏会となると、彼は、寝ます。今回こそは「改心」したかと思って同伴しても、やっぱり寝ます。それでも、「一緒に行く?」と誘えば、けっこう喜んでついて来るんですよね〜〜 「音楽は好きだから」と言って。・・でも、寝るんですよね・・・ 会場では(-"-)


それはそうと、本日の演奏。


R.シュトラウスの『ドン・ファン』は、とても久しぶりに生演奏を聴きましたが、やっぱり素敵な曲ですね。
管楽器の音が冴え渡っていて、とても心が浮き立ち興奮する演奏でした。


次のショパン『ピアノ協奏曲第1番』は、やはり仲道さんのピアノが素晴らしかったです。
特に第2楽章が、リリカルな美しさで満ちており、まるで夢の世界を案内されているようでした。
第1・3楽章では、あの小さな身体のどこに、こんなエネルギーが宿っているのかと思うほど、非常にダイナミックで熱い演奏でしたが、第2楽章での歌いっぷりは想像以上に豊かで輝いており、非常に満足しました。


休憩があり、ここで息子に、「コーヒーでも飲んで!」と眠気覚ましを一杯ふるまい、ついでに「はい、これ口に入れて!」と“フリスク”を強要^^;
本人曰く「完全に寝てるわけじゃなく、ちゃんと演奏は聴いてましたっ!」・・とのことでしたが、いやいや、あれは絶対に爆睡してましたってー
せっかく演奏会に来て、あんな風に寝ちゃったんじゃ、ホントに勿体無いではないですか!?


休憩時間は終わり、いよいよベートーヴェンの傑作中の傑作というだけではなく、あらゆるクラシックの作品中「最高傑作」と呼んでもいい『交響曲第5番』です。
私はこの曲に関しては、もう隅々まで知り尽くしていると言っても過言ではありません^^
子供の頃から、父のお供でどれだけの数を聴いて来たことか。
父はベートーヴェン大好き人間ですから、レコードで聴く、演奏会で聴く、その度に私はくっついて行きました。聴く方の年季だけは滅茶苦茶入っております♪


休憩中に「カフェイン」と「フリスク」を投与された息子は、なんと奇跡的に? この演目はちゃんと聴いておりました。良かったです。だって、とても良い演奏でしたから。


まず第1楽章。けっこうゆったりめのテンポで、私個人の趣味としては、もうちょっと速い方が好みではあるのですが、まぁこういうテンポも悪くないな・・と思いながら、提示部が繰り返されて、再び第二主題が出てくるところで、なんとまさかのホルンがミス。あらあら・・とその後は、ホルンが出てくる前になると、暫く心配しましたが、余計なお世話だったようで、あとはずっと素晴らしいホルンを響かせてくださいました。あれはきっと滅多にない事故だったのかもしれません。
のどかな第2楽章へと移り、「ここでまた寝るかな?」と隣りの息子を見ると、しっかり覚醒していたので「よしよし」と(笑)
私は、この第2楽章では、各楽器が下から順々に音階を駆け上がっていく部分が大好きなのですが、その演奏も美しかったですし、なにより木管が三重奏する部分が、さすがのクオリティーでした。第1楽章の再現部直前でも思いましたが、オーボエソリストの見事なこと!
第3楽章は、もっと不気味な味が出てもいいかな・・などと思いましたが、でも楽しかったです。コントラバスから始まる細かなフーガは、鮮やかでした。
そして、この曲の中で最もワクワクドキドキな弦楽器のピチカートから第4楽章につながるところでは、素直に感動して、じわっと涙がにじみました。
そして後は、圧倒的な大団円に向けて、二つの主題の絡み合いがめくるめく感じで、心が洗われていくといいますか、自分自身が一新されるようでした。


アンコールでは、バッハの『G線上のアリア』が弦楽合奏され、とてもきれいでした。
あらためて名曲ですねー


演奏会後、「腹減った!」と訴える息子と、後楽園近くで食事をし、その後地下鉄で帰宅。
文京シビックホールは、交通機関の便が良いのも、気に入っております♪


響きの森シリーズは、次回は6月26日です^^


ショパニズムショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番ベートーヴェン:交響曲第5番&第7番ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》&7番ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調<運命>