仮面舞踏会 と オレンジ合戦 の カーニバル

イタリアに、イヴレアという街があります。
4年前に冬季オリンピックが開催されたトリノから、列車で一時間半くらい北に向かったところです。


昨日14日(日)は、日本では「バレンタイン・デー」でしかありませんでしたが、イタリアでは、「イースター(今年は4月4日)の49日前の日曜日」・・ということで、カーニバルが最高潮に達する一日だったはずです。
そして、そうしたカーニバルの中でイタリアで屈指のものといえば、ヴェネツィアのカーニバルですが・・・

実を言うと、私が留学していた頃は、今ほど盛大ではなく、もっとこじんまりした感じでした。
でもここ数年はどんどん規模が大きく豪華になり、その分、カーニバルの時期のヴェネツィアのホテル代は、数倍に跳ね上がっています。
しかも人出が半端ではないようで、普段なら数分で歩いていける場所も、1時間以上かけないと行き着けないほど混みあうそうで、そういう過密状態が得意ではない私には、もはやあまり行きたいイベントではなくなってしまいました(-"-)


そのヴェネツィアと並んで、イタリア屈指のカーニバルとして名高いのが、イヴレアの「オレンジ合戦」です。

イヴレアのオレンジ合戦「Battaglie di arance」は、凄いです。
なにが凄いって、もぉ〜〜〜トホホな祭りなんです。
はっきり言って、あれやってる人たちは度外れた「アホ」です(笑)


私は、TVニュースでしか見たことがありませんが、ひたすらオレンジを投げ合い、ぶつけ合い・・・という祭りなんですけども、なんでも数日間に、シチリアから買い付けた4トンものオレンジを使いきり、投げに投げるその規模たるや、もぉ〜常識を超えてます。
おまけに毎年、けっこうな人数の怪我人も出ているようで、骨折したり、失明した人もいるとか・・・
オレンジの投げ合いで失明・・・って、なんというドラマチックな人生でしょう?
昨日の現地ニュース配信を見るところでも、300人もの怪我人が救護室に運ばれたそうですし、中には重症の人もいるとか・・・

でも! 街をあげての、この正真正銘のアホ祭り、なんともう150年以上も続いてるんです。
とっても歴史があるのです!


カーニバルで、このような「合戦」が行なわれるようになった由来は、なんでも昔々、非常に横暴でエロオヤジな封建君主がおられまして、そのエロオヤジ君主が、領地内で結婚するカップルに重い税金を課していたそうです。
そして、それが「払えない」となると、「ならば新婦のカラダで払ってもらうぞ〜〜」というわけで、結婚前夜の花嫁を、まず自分が・・・ということをしていたそうな・・・
しかし、それに反抗したある娘(粉屋の娘:la Mugnaia)が、ついにそのエロ君主の首を切り、殺してしまい、それが契機となって民衆の暴動が起きたとか。
その暴動をオレンジの投げ合いで再現しているそうです^^;
そして「粉屋の娘」はカーニバルのヒロインで、イヴレアに住む既婚女性の中から選ばれた美女が扮します♪
既婚女性・・・ってところがイイですよね〜〜





しかし、この話、なんだかどこかで聞いた事のあるような話ですよね〜〜


そう、これって、まるで『フィガロの結婚』の過激ヴァージョンじゃないですか?


中世って、本当にそういう暴君エロ君主が、そこかしこに居たんでしょうかね?
実際のところはどうなのでしょうか?


・・・というわけで、


いつものようにYouTubeから、まずはイヴレアの「オレンジ合戦」の模様と・・・


赤い被り物は「見物人」の印なので、オレンジをぶつけられたくなければ絶対にかぶりましょう! 但し必ずしも“安全”が保障されるわけではないようです(笑) もしイヴレアにこのカーニバルを観に行かれる場合は、赤い被り物は現地調達できますが、汚れても気にならないウィンドブレーカーと長靴は持参した方が良いのでは? まぁ、私は絶対に行こうとは思いませんけど・・ こういうのがお好きな方にはたまらないかも^^



お口直しに、『フィガロの結婚』から、伯爵夫人とスザンナの二重唱を♪


あぁー美しい


そしてなんだか、無性に「みかん」が食べたくなっちゃいました〜






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